
株式会社GEトラスト

グリーンエネルギーのディベロッパー

今月のCEO Message
~ 代表 久保田 誠二のメッセージ ~
地熱について 2025年 6月
先日、地熱発電の記事が日経の一面を飾っていました。三菱商事が、日本やアジアで次世代の地熱発電所の開発に乗り出すとのこと。従来より深い地下2000メートル超の地層から熱を回収する新技術を使うことで、温泉地以外でも立地を選ばず開発できるそうです。
地熱発電は再エネの一つで、マグマで熱された地下の水や水蒸気でタービンを回し発電します。実は日本の地熱資源量はアメリカ、インドネシアに次ぐ世界3位なんです。発電コストは1キロワット16円程度と陸上風力と同水準で、天候に左右されないので設備利用率は83%と高く、耐用年数も他の再生エネを上回るという優れモノ。しかしながら日本での導入量は60万キロワット、潜在資源の数%にとどまっています。それは、地熱発電は資源が確実にあるのか掘らないとわからず、採掘調査に数億円かかっていたため導入が難しかったのです。次世代地熱は調査を短縮・省コスト化できるとのことで、これが本当に実現したら日本が再エネ大国になれる明るいニュースです。
2015年1月、湯布院で第1回地熱シンポジウムが開かれました。推進議員代表は当時権勢を誇っていた二階俊博さんで、当社のように太陽光で儲かった事業者が500社くらい集まってそれはそれは熱気がありました。ネタが温泉なだけに(笑)。しかしその後調べていくと、上記の通り採掘調査にお金がかかり、しかも候補用地にあたりはずれがあり、温泉権や国立公園の問題などハードルが多すぎて、中小企業にはとても無理だとわかって熱は一気に冷めていきました。記事の通り技術革新が進み、我々の様な事業者がまた再トライできるような環境にならないかなあと一縷の希望を抱く日々です。
鹿児島、バブル、太陽光 2025年 5月
太陽光発電所の視察で鹿児島に行ってきました。九州は日射条件が良く、鹿児島にも至る所に発電所がありました。山の斜面に作られたものもあり、台風が多いエリアなので大丈夫なのかと心配になりました。再エネ法施行当時、沢山の発電所が九州に建設されたわけですが、それが故に出力抑制が必要とされ、その量は発電量に対し8%にも及ぶとのこと。事業者としてはたまったものではないと思います。
鹿児島市のお隣、霧島市で泊まったホテルには驚かされました。最上階までガラス張りの吹き抜けで、真中にこれまたガラス張り三角形の教会があるという斬新な空間。最上階のバーでは、この吹き抜けをつまみに酒を飲むという、生まれて初めての体験をさせてもらいました。聞けばあの黒川紀章の設計で、1995年に開業したとのこと。やはりバブル期の産物だったのです。
このホテル、名前を京セラホテルと言います。なんで京都の会社が鹿児島にホテル?と思ったら、京セラ創業者の稲盛和夫さんは、鹿児島出身なのだそうです。霧島市この一帯を商業施設にするのでホテルを建てて欲しいと地元から頼まれ、それに応じたのだとか。現在商業施設は出来ておらず、川と田んぼに囲まれた牧歌的な場所に突如白亜のホテルが建っています。稲盛さんは故郷に錦を飾ったものの、バブルの崩壊で商業施設計画はとん挫。ホテルのみが残されたという訳です。
「オレは約束を守ったぞ」このホテルに関し、稲盛さんが残した言葉だとか。壮大な吹き抜けをつまみに赤ワインを飲みながら、「夏草や 強者どもが 夢のあと」の一句が浮かんだ一夜でした。