
株式会社GEトラスト

グリーンエネルギーのディベロッパー

今月のCEO Message
~ 代表 久保田 誠二のメッセージ ~
あっという間に闇の世界 2025年 4月
4月2日、トランプ大統領が世界各国への関税を発表しました。関税率は1930年、100年昔に逆戻り。そのなかでも日本はなんと24%、中国、EU、ベトナム、台湾に次ぐ世界で5番目に高い関税になりました。日本は同盟国だったはずですが、トランプならびに政権中枢に残念ながらそういった意識は、もはや無いようです。先月のメッセージで一寸先は闇と記しましたが、1か月もしないうちに完全にヤミ落ちしてしまいました。
世界の経済システムは、戦後数十年かけてアメリカが主導して作り上げてきたものです。民主主義と自由主義経済をベースに日本や欧州を支え、ソ連崩壊後も自由主義経済を推し進めた結果が、今のグローバル経済です。なぜこのような形になったのか。それはこの形が世界の経済成長にとって最適解だったからです。各国が関税を低く設定し、得意な産業を伸ばして輸出、不得意品・足りないものは輸入することで世界市場は順調に拡大してきました。ゼロサム市場を奪い合うのではなく、全体のパイが拡大したからこそ徐々に世界が豊かになり、アメリカは覇者であり続けたのです。その証拠に最適解でない共産主義国家は、次々と崩壊。残る中国の経済は、実態は自由主義です。
今回の措置は、80年続いた最適繁栄のスタイルをあえて破壊し、帝国主義の時代に戻す愚行です。「何十年もの間、日本やほかの国々は米国を利用してきた」これはニューヨークの不動産屋だったトランプが1987年に出した新聞広告のコピーですが、哀しいかな彼の脳ミソはここから一歩も進化しなかった模様です。人類にとって致命的なガラガラポンが行われてしまいました。今後日本や世界はどうなってしまうのか。一太陽光発電事業者としては、この国が秩序を守り法令を遵守して、再エネ導入が無茶苦茶にならないよう祈っています。
一寸先は闇の世界 2025年 3月
2月末、ホワイトハウスを訪れたゼレンスキー大統領とトランプ大統領が口論になり、その映像が世界にリアルタイムで流れました。絶句!アメリカの大統領が侵略国家ロシアの肩を持ち、被害者であるウクライナの大統領を独裁者と呼ぶ。こんなこと、1年前に誰が想像したでしょうか?今までもアメリカは大統領が変わると、多少の政策の変化はありました。しかし今回は外交方針が真逆に振れているのです。戦後80年同盟関係だったヨーロッパを切り捨て、ずっと敵対してきたロシアと手を結ぼうかという勢いです。
トランプ大統領は、今までアメリカを下支えしてきた官僚機構をイーロン・マスクという劇薬を使って破壊しようとしています。USAID=アメリカ国際開発庁は既に機能を停止し、他の省庁職員もメール1本で大量解雇しようとしています。マスク氏はツイッター社を買収して8割の社員のクビを切ったやり方を踏襲しているようですが、省庁の職員は公務員であって民間ではないのです。多くは国家に奉仕しようという志と、生活の安定を求めて働いているのですから、それを踏みにじるのはあまりにもひどい。こんなことがまかり通ってしまうと、今後有能な人材は流出し、誰も公務員になろうとは考えないでしょう。結果的には、国家が内部から弱体化してしまうと思われます。
今回の事は他人事ではありません。トランプ大統領が習近平と仲良くなりたいと思えば、アメリカが中国と手を握って日本への軍事支援を止めるような事もあり得てしまう。その時中国は台湾へ侵攻し、その次は尖閣。最近は沖縄もターゲットにしている模様。安全保障のみならず、我々再エネ業界への影響も甚大です。世界の二酸化炭素排出制限をリードしてきたアメリカが、石油をガンガン掘れ、地球温暖化なんて嘘っぱちだと豹変してしまったのですから。アメリカの再エネ事業者は、非常に苦しい状況です。それに比べると日本は政策に安定・継続性があります。今回のアメリカの激変で、日本の政治の良さを再認識致しました。トランプだったら、再エネ法なんてとっくに破棄されていることでしょう。日本は今まで通り地球温暖化へ心を配り、2050年CO2ゼロに向かって突き進んで欲しい。再エネ発電事業者としては、心からそう思うのです。